はじめに──それ、本当に「安心の改革」?
「年金制度が見直されます。誰もが働きやすくなります」
政府やメディアが使うのは、いつも“ポジティブな言葉”。
でも、本当にそうなのか?
内容をよく見れば──
これは「ステルス増税」そのものだ。
つまり、“増税”と言わずに負担を増やす巧妙なやり口。
この記事では、2025年年金制度改正の裏側にある“本当の意図”を掘り下げていく。
第1章:106万円の壁撤廃=“負担だけ押しつけ”
これまでパートや短時間労働者は年収106万円未満であれば、社会保険に入らずにすんだ。
改正では、この壁を撤廃・縮小することで「保障の拡大」と言っているが、実態は:
- 扶養内で働いていた人に強制的に社会保険料を課す
- 年間10万~20万円以上の保険料負担
- それに見合う年金・医療保障を得られるとは限らない
「守る」んじゃない、「取る」だけ取る仕組み。まさに隠れ増税。
第2章:「高齢者ももっと働け」は“国の都合”
在職老齢年金の調整基準額が月50万円→62万円に緩和される。
これで何が起きる?
- 高齢者がもっと長く働き続けるようになる
- 国は年金の支払いを遅らせられる
- 働いた分、税金や保険料も多く納めることに
表向きは「働く意欲を支える」、中身は「払うな、働け、そして納めろ」。
第3章:遺族年金も“削減ステルスモード”
遺族厚生年金の見直しにより、子どもがいない配偶者は受給期間が5年に制限される。
- 「男女平等」の名の下に給付対象を縮小
- 専業主婦など家庭の収入源が打ち切られるリスク
「平等」の皮をかぶった、“給付カット”。
第4章:標準報酬上限引き上げ=高所得層の“保険料増税”
- 月収65万円→75万円まで保険料の上限を引き上げ
- たとえ支払いが増えても、将来受け取れる年金は限られる
富裕層からもっと取る構図。「再分配」とは聞こえが良いが、実質は“徴収”。
第5章:マクロ経済スライド継続=インフレでも年金カット
「スライド調整期間の統一」など技術的な変更が加えられるが、要するに:
- 名目上の年金額は据え置き
- 実質的にはインフレ下で年金の価値が目減り
物価が上がっても年金が上がらないなら、それは“実質カット”以外の何物でもない。
第6章:iDeCo拡充=「老後は自己責任」
- 加入年齢の延長や掛金上限の引き上げ
- 投資で老後資金を自分で運用して備えよ、という制度設計
公的年金が足りない分は“自分で何とかしろ”という自己責任型社会へ。
結論──これが“改革”の正体
この年金改正案の核心はこうだ:
- 「給付は減らす」
- 「保険料(実質の税金)は広く多く取る」
- 「足りない分は自己責任でなんとかして」
見た目には派手さはない。
でも、着実に国民から“しれっと”搾り取る。
それが、自民党式ステルス増税の正体だ。
最後に──あなたは守られたと思いますか?
この改正で、あなたの未来は明るくなっただろうか?
それとも、何かが静かに奪われた気がしないだろうか?
もう一度問い直したい。これは「改革」だったのか?
こんな法案を、しれっと通してしまう政府をどう思いますか?
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